不妊症や不育症と冷え症に対して、実際にどの程度のリスクがあるものなのか、統計学的なデータと言うものは、これまであまり存在していませんでした。
と言いますのは、漢方医学は、経験的な医学であり、理論体系も科学的と言うよりは、哲学的であって、診察方法も、観察力とその結果の統合による分析と察知能力に依存したものであるため、現代科学的手法では、ある結果に対する原因の特定が主眼であるのに大して、漢方医学では、体を構成する様々な要素を、多元的に収集分析した結果、どのバランスを重視すべきかと言う視点で方向性が決まります。
その繰り返しの中で、冷え症は、妊産婦にどのような影響を与えることが多いのかと言うことは、経験的に知っていたし、古典にも多くの記載がある訳です。

多くの漢方薬が、現代医学でも活用されておりますのは、現代医学的視点でも、その有効性が認められるだけの、結果が出ているからなのですが、実際については統計を取るのが手っ取り早いですね。

さて、冷えと早産について、朝日新聞に掲載されておりましたものを、紹介いたします。

冷え症の妊婦、早産リスク3倍 首都圏の妊婦を調査 2011年8月22日10時35分  冷え症の妊婦は、早産のリスクが3倍、お産の時間が長引くリスクは2倍以上――。
首都圏の2810人の妊婦を追跡調査したところ、こんな結果が出た。
調査は、慶応義塾大学看護医療学部講師の中村幸代さんが、今年3月に修了した聖路加看護大学大学院の博士論文でまとめた。2009~10年、産科と小児科がある6病院で出産をした女性に質問紙を配り、カルテと照合した。
「妊娠後半に手足を冷たいと感じたか」との問いに「はい」と答えた人を「冷え症」とみなした。  この結果、37週未満で産まれる「早産」の割合は、冷え症の女性は6.7%。冷えていない女性は1.9%だった。
喫煙や過去に早産の経験があるなど他の影響を除外して解析すると3.4倍の開きがあった。 http://www.asahi.com/science/update/0822/TKY201108220075.html

このようなデータが、現代になって出てくると言うことに、古書を読み、日々冷えの女性を見る機会が多い、私たち漢方的視点で、体を見ている者たちは、微笑ましく思ってしまうものなのではないかと思うのです。

我が国で最も古い医学書とされている、医心方の中にも、妊産婦の冷えについて、多くの記述があるのですが、先人の知恵と言うものの、ありがたさをあらためて感じることができました。

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