鍼灸適応疾患(WHO)

 

WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認められた症状には、以下のものがあります。

 

【神経系疾患】
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

【運動器系疾患】
 関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧、低血圧症・動悸・息切れ

【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪およびその予防

【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴り・難聴・メニエール氏病・鼻出血・鼻炎・蓄膿・咽喉頭炎・扁桃炎

【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・霞み目・ものもらい

【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、疳の虫、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

鍼灸の歴史や保険制度についてはこちらをご参考に願います→

WHO「世界保健機関」についてはこちらをご参考に→

 

鍼の効果についての研究→
鍼(はり)治療で鍼を刺すことにより、アデノシンと呼ばれる鎮痛作用を持つ自然の化学物質の分泌が促され、疼痛軽減に役立つ可能性がマウスを用いた新しい研究によって示された。

この知見は、医学誌「Nature Neuroscience(ネイチャー神経科学)」オンライン版に5月30日掲載されるとともに、スペイン、バルセロナで開催されたPurines 2010会議で発表された。

研究著者である米ロチェスター大学メディカルセンター(ニューヨーク州)トランスレーショナル神経医学センター副所長のMaiken Nedergaard博士らは、アデノシン濃度を通常よりも長く維持する抗癌(がん)薬デオキシコホルマイシンを併用することで鍼の有効性を高めることができるとも考えている。

同氏は「この研究は、鍼治療が身体の疼痛を軽減する1つの物理的機序に関する情報を提供するものである」と述べている。

米ニューヨーク州脊髄損傷プログラムと米国立衛生研究所(NIH)の支援を受けて実施された今回の研究で、同氏らは、足に不快感を有するマウスに30分の鍼治療を行った。

その結果、鍼の挿入箇所周辺の組織ではアデノシン濃度は治療後に24倍になり、正常なアデノシン機能を有するマウスでは足の疼痛が3分の1に軽減した。

一方、遺伝子操作によりアデノシン機能を持たないマウスでは、治療による恩恵は得られなかった。

また、鍼を用いず、同じ組織領域のアデノシンを活性化すると、マウスの不快感は同様に軽減し、アデノシンがこの方法の裏で作用していることが強く示唆された。

アデノシンは睡眠を調節することで知られており、神経シグナルや炎症を阻害する。

アデノシンの体内からの除去を阻害するデオキシコホルマイシンを用いた実験では、同薬により標的とした筋肉におけるアデノシン量がほぼ3倍になり、疼痛軽減がみられた時間は3倍以上であった。