不登校のお子様が当院に来院するケースは、時折あります。
当院では登校を促すようなアドバイスは基本的に行いません。
ではいったい何に対して、施術を行うのか、疑問に感じる方も多いと思います。
多くの不登校のお子様は、何らかの原因で、学校に行かない、もしくは行けない状態にある訳ですが、結果的に自宅で過ごす時間が長いがゆえに、多くの身体的な問題を引き起こします。
例えば、活動時間が短くなるために、気力や体力が落ちる。
筋力の低下。
食欲不振。
昼夜逆転や、不規則な睡眠。
ゲームやパソコン、スマートホン、タブレットなどの使用時間が長くなる→
眼精疲労、肩こり、頭痛。
自律神経失調。
起立性低血圧。めまい。
過食症、拒食症。
過敏性腸症候群。無気力。不安。
うつ病。パニック障害。
上記のような症状は、不登校になる前から出現している場合もありますが、多くのお子さんは、症状があるので、行きたくても行けないと言う表現をします。
現代は、必ずしも学校に行かなくても、学業をすることは可能ですし、様々な習い事もあります。
ですが、現実には学校に変わる、体力を身に着ける場や他者とコミニケーションを潤沢に営める場所は、簡単に見つけられません。
また、学校に変わって、様々な経験をお子さんに提供するためには、主としてご両親の多くの努力と、金銭的負担が必要になる場合が多いようです。
当院では昨今の多様性を重視する考え方は概ね理解しつつ、健康に必要な基礎体力を見に着けることを、最も中心に据えて、施術とアドバイスを行います。
また適切な医療機関や、教育機関の通院通所をサポートします。
医療機関や教育機関では手が届きにくい部分について、30分以上時間をかけて、施術をしながら、対話をいたします。
①まずは体調不良を改善するために、小児鍼や、成長に合わせて、細くて刺激量の少ない美容鍼を使って、身体の緊張を緩和し、自律神経のバランスを取ります。
食欲や睡眠、痛みのない生活を送れることが、第1段階です。
②体力の回復のために、生活の中に、動きを取り入れてもらえるよう、促します。
例えば、1日の中に歩く時間を5分からでもよいので作る。
掃除や、ゴミ出しなど、親の手伝いをする。
昼夜逆転を是正する。
深夜に、ゲームスマホ、タブレット、パソコンなどを使用しないように、家族で取組む。
③短期的な目標を立てる。
例えば3か月後くらいまでに、30分くらい外で歩けるようにしたい。
朝10時くらいにはおきるように、寝る時間を決める。
勉強や習い事など、自分で決めたことは、短い時間でも、毎日取り組めるようにする。
これらは、一つから始めても良いし、その子の個性に応じて、提案し、本人に決めてもらう。
④長期的な目標を設定する。
短期的な目標が少しずつ取組めるようになったら、様子を見て、将来の目標を考えてみる。
そのための、様々な材料となる物を、回数を重ねて、対話することで、できるだけ選択肢を提供する。
例えば、お金持ちになりたい。事務職をしたい。
自営業をしたい。
体力をつけたい。
体力がいらない職業選択濯したい。
芸能人になりたい。など。
⑤進学について考えられるようにする。
高校はどこに行きたい。
通信制高校が良い。
大学に行きたい。
専門学校で良い。
高卒で就職したい。
など。
目標ができてきたら、それを叶えるための道を、できるだけ多く提示して、本人が何ができるのか、考えられるようにする。
意欲が高まる事が重要です。
お子さんの状態によっては、当院に来ることじたいが目的になっていても、全く問題ないです。
当院に足を向けるだけでも、外に出る訳ですし、僅かでも日に当たります。
多少でも歩きます。
他人である私とコミニケーションを取ります。
本人が選んで、当院に来ている限り、引きこもり状態からの、脱出の一歩になる場合があります。