【頭痛の鍼灸について】

鍼灸の現代医学的な作用についてはこちらをお読みください。

 

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頭痛には様々な原因があり、鍼灸が適応される疾患と、専門の医療機関を受信しなければならないものがあります。
簡単に説明いたしますと、自律神経の作用で、症状が変化しうるものは、鍼灸の適応疾患です。
また、筋肉の緊張を取ることで改善するものや、神経痛も適応疾患です。
上記は、複数の要因が重なって、症状として表れている場合が多く、頭痛と言えども、全身的に鍼灸を施し、自律神経のバランスを整え、筋肉の緊張を和らげることで、症状の緩和に繋がります。
また精神的なストレスとの関係性も強く、生活習慣によっては、定期的な鍼灸治療をお勧めします。
急性の激しい頭痛、今まで感じたことのない頭痛は、鍼灸の適応疾患ではありません。
専門の医療機関を受診し、原因を特定しなければ、危険です。
 
以下、頭痛についての解説と、注意点を列挙します。
頭痛は日本人の3 ~ 4人に1人(約3000万人)が持っているとされています。
そのうち2200万人が緊張性頭痛、840万人が片頭痛、1万人が群発頭痛といわれています。
重篤な病気である、クモ膜下出血・脳腫瘍による頭痛は、毎年約1万人 ~ 3万人に発生するとされています。
1.緊張型頭痛
緊張型頭痛の原因としては、精神的・身体的ストレスや筋肉の緊張などが複雑に絡み合っていると考えられています。この症状は鍼灸の適応であり、効果が出やすい病気です。
身体的ストレス原因としては、無理な姿勢・合わない枕・目の酷使などで、デスクワークでも起きやすい症状です。
特に目や肩などにストレスが集中してかかると周囲の筋肉がこわばって血行が悪くなり(肩こり)、さらに疲労物質などがたまって周囲の神経を刺激し、頭痛を招くと考えられています。
精神的ストレス原因としては、心配事や不安・悩みを抱えることなどがあげられます。
これによって自律神経がうまく機能しなくなると、筋肉が緊張していなくても頭痛を訴えることがあるとも考えられています。
典型的には、頭をとりまくはちまき状に痛み、ストレスやうつによって症状が悪化します。
頚部・側頭部の異常な筋収縮を伴う場合も見られます。
男性よりも女性のほうが頭痛の症状を訴えることが多く、筋緊張性頭痛の6割、片頭痛の8割が女性であるとされています。
2.生理痛に伴う頭痛
女性が訴えることが多い頭痛の1つに生理時に伴うものがありますが、これは生理中にエストロゲンが血中から減少し、それがセロトニンに何等かの影響を与えて片頭痛を引き起こしやすくなるからではないかとも考えられています。この症状については、漢方的には、腎虚「逆気」であることが多く、定期的に鍼灸を行い、脚の冷えを改善しながら、自律神経のバランスを整えることで、緩和することが多いです。
3.血管拡張頭痛「片頭痛、偏頭痛」
朝、目が覚めて起きた時から頭痛がある。
太陽の光などを頭や目に受けて頭痛が起こる。
激しい運動後や緊張が解けてほっとした時、休日などによく頭痛があるなどは、偏頭痛である場合が多いとされています。
この頭痛も、鍼灸の適応です。
多くの場合、症状がある時に来院をお勧めし、症状がなければ、来院する必要はありません。
気圧の変化や、季節の変わり目にも症状が悪化することがありますので、そのような時に針灸をお勧めしています。
片頭痛は血管による拍動性の痛みで、若い女性に多く、時折家族にも同じような症状を訴える場合があります。
片頭痛の前は食欲が旺盛になる、甘いものが食べたくなる、眠気をさす、悪心嘔吐・羞明・めまい・圧痛・食欲不振・多幸感などを伴うこともある。前兆を伴うタイプもあり、視覚暗点・閃輝暗点(ギラギラ輝く歯車のようなものが見える)・一過性半盲(視界の一部が一時的に欠けて見えなくなる)・片麻痺・片側性感覚障害(痛みと半盲の出ている側の手の痺れ)・言語障害(舌のもつれ)などが前兆としてみられる場合もあります。
時折睡眠時無呼吸症候群を伴う場合が見られます。
「セロトニン説」と「神経血管説」の2つが提唱されており、遺伝によると思われる事例もあるようです。
セロトニン説→
ストレス・緊張などにより脳が刺激を受けると、血液成分である血小板から血管を収縮させる作用を持つセロトニンが多量に放出されるようになり、脳内の血管が収縮する。時間の経過と共にセロトニンが分解・排泄されて減少すると、一度収縮した血管が逆に広がりはじめるようになり、この時に頭痛が起こるようになるというもの
三叉神経血管説→
脳から伝えられた何らかの刺激が血管周囲にある三叉神経を刺激し、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつサブスタンスPなどのさまざまな神経伝達物質が分泌される。その結果、血管が広がり、その周囲に炎症が起こって頭痛として自覚されるというもの。1980年代から有力視されている。
3.群発頭痛→
頭部の血管の拡張が関わっているのではないかと考えられていますが、発症のメカニズムについては未だ明らかにされていない点が多いようです。
群発頭痛の特徴は1年から3 – 4年に数回程度、1か月から3か月に渡る「群発期」に毎日のように決まった時間に発症する場合が多いと言うものです。
薬を服薬している場合は、時間がずれる場合もあります。
発作的であり、耐え難い頭痛が特徴です。
睡眠中に発作が来ると激痛で目が覚めるほどです。
この 痛みは数ある頭痛の中でも群を抜き、「スプーンで目玉をエグられる程」と例えられます。
お産などよりも痛いとされ、心筋梗塞、尿路結石、と並び生きているうちに味わえる三大痛の一つとされ、別名「自殺頭痛」とまで呼ばれていますが、本人にしか分からないことで、周囲の理解が進まないことが問題です。
目の後ろを通っている血管が拡張して炎症を引き起こすため、目の奥の痛みを訴えることが多いとされています。
この血管を取り巻いて、涙腺のはたらきや瞳孔の大きさをコントロールしている自律神経が刺激されて、涙・鼻水が出る、瞳孔が小さくなるといった症状を伴う場合もあります。
吐き気を伴う場合もあり、純酸素吸入やイミグラン(3mg)の注射が治療として有効とされています。
この病気は発作的な症状があり、適切な医療機関での治療を行いつつ、自律神経に対する針灸治療を併用することをお勧めします。
4.牽引性頭痛→
頭蓋内の痛覚感受組織がひっぱられたり圧迫されて起こる(例:脳腫瘍、頭蓋内血腫、低髄液圧症候群)。
この症状の急性気には、基本的に鍼灸は適応されません。医療機関で検査、治療を行う必要があります。
医療機関で治療を行った後の、リハビリや後遺症の改善に、針灸が適応できる場合があります。
特に自律神経症状や、緊張性の頭痛や神経痛が残った場合には、適応となります。
5.神経痛→
頭部を支配する感覚神経である三叉神経や上部頸髄神経の損傷は頭部の神経痛を引き起こします。
神経痛には鍼灸が適応になります。
ただし、外科的手術により、原因部位の除去や、補修が必要な場合もありますので、事前の検査が必須です。
6.関連痛
耳・鼻・歯などの疾患が、頭痛の要因となる場合があります。
原因の特定が必要ですので、事前の検査をお勧めします。
7.危険な徴候がある場合は、鍼灸の適応ではありません。
クモ膜下出血、髄膜炎、大きな脳出血などでは、早急に医療機関を受診しなくてはなりません。
また脳腫瘍や緑内障である場合もありえますので、何時もと違う症状である場合は、注意しなければなりません。
以下のような症状がある場合は、当院に来院される前に、必ず医療機関で検査を行ってください。
今までに経験したことがないような頭痛か、今までの頭痛で最悪の頭痛である場合。
持続進行性の頭痛(経過観察中の悪化など)。
突発(何時何分に起きた、何をしている時に起きたと正確に言える)頭痛の内、危険な兆候があるもの。
全身症状(発熱、るいそう、痙攣)が伴うもの。
神経症状(麻痺、複視)・精神症状などを伴う(特に1時間以上持続)するもの。
項部硬直がみられる(髄膜刺激症状がある)もの。
眼底検査でうっ血乳頭がみられるもの。
担癌患者、免疫不全者、妊婦の初めての頭痛。
発熱・発疹を伴うもの。
頭を振ると頭痛がとてつもなく増強するもの。
明るい物を見ると頭痛が増強するもの。
虹彩が円盤状でなく球面状になっている場合。
最近の頭部外傷がある場合。
急速に増悪する頭痛、病歴のつじつまが合わない、以前と違う、神経局在所見、睡眠から覚醒させるほどの頭痛がある場合など。