不妊症に対する現代医学的な鍼灸の効果について、いくつか論文をご紹介いたします。

鍼灸の現代医学的な作用についての解説はこちらをお読みください。
手先足先への鍼刺激で脳と子宮の血流量増加が現れると言う基礎研究については、こちらのリンクhttp://aocuma.com/?page_id=7954をご覧ください。

 
Acupuncture on the day of embryo transfer significantly improves the reproductive outcome …(2006)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0015028206002123
被験者:を体外受精当日、胚移植の直前直後に鍼する群95人①と体外受精当日、胚移植の直前直後とさらに2日後に鍼する群91人②、鍼なし群87人③に分けた。
結果は→
①妊娠率39%、妊娠継続率36%。
②妊娠率36%、妊娠継続率26%。
③妊娠率26%、妊娠継続率22%となった。
移植の前後に鍼をしたほうが妊娠率が高まることが確認できた。
 
Influence of acupuncture on the outcomes of in vitro fertilisation when embryo implantation…(2013)
http://aim.bmj.com/content/31/2/157.abstract
過去に2回胚移植を失敗した被験者をランダムに3群に分けた。
①鍼灸群(伝統的に婦人科疾患に効果があるといわれるツボに鍼)28人。
②統制群(鍼灸介入なし)28人 
③シャム群(適当な場所に鍼)28人
結果:妊娠率→①35,7% ② 7,1% ③10,7%  
こちらも鍼を行うことで妊娠率が高まっている。
 
Influence of acupuncture on the pregnancy rate in patients who undergo assisted reproduction …(2002)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0015028201032733″>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0015028201032733</a>
被験者:被験者をランダムに2群に分けた。
①移植の直前直後に鍼をする群80人。
②鍼なし群80人。
結果→妊娠率…①42,5% ②26,3%
こちらも鍼治療で妊娠確率が上がっています。
 

生殖医療専門誌「Fertility and Sterility」の7月号に掲載されたドイツの調査結果によると鍼療法で精子の生殖力が改善されたということです。
Quantitative evaluation of spermatozoa ultrastructure after acupuncture treatment for idiopathic male infertility – Fertility and Sterility
http://www.fertstert.org/article/S0015-0282(05)00591-1/abstract
精子に問題のある男性40人を対象に、鍼の効き目を調査。2つのグループに 分け、5週間にわたり28人に週2回鍼治療をし、12人には治療をしなかった。その結果、鍼治療を受けたグループに、生殖力のある健康な精子の数が増えていることが分かったとのことです。

国内では大規模な研究が少ないですが、いくつかご紹介→
 
不妊治療のエビデンス(1)|論文|子宝(不妊)鍼灸ー妊娠力を鍛える!ー|不妊治療に鍼灸を使って有効性・有用性を確認しようとする活動を行っています
http://kodakara.hariq.com/index.php/method/archives/7
第49回 全 日本鍼灸学会学術大会 セミナー「女性と鍼灸」
「子宮の神経性調節 と体性感覚刺激」 志村まゆら(筑波大学附属盲学校理療科)
「婦人科領域の鍼灸治療」 形井秀一/中村威佐雄/植月祐子(筑波技術短期大学鍼灸学科)
「産科領域の鍼灸治療」主として骨盤位と早産予防について 矢野忠/笹岡知子(明治鍼灸大学臨床鍼灸医学教室)
「産婦人科領域の鍼灸の安全性」 形井秀一/中村威佐雄/植月祐子(筑波技術短期大学鍼灸学科)
鍼治療で子宮内膜が厚くなる
愛知地方会 鈴木裕明 竹内病院トヨタ不妊センター 越智正憲
など。
 
26年度 第三回不妊鍼灸(針灸)2014年 不妊鍼灸ネットワーク公開研修会(第三回研修会) 報告
http://www.kodakara.org/kensyu/jsam64_fukushima.html
によると、
日本IVF学会理事長であり、IVFなんばクリニック・IVF大阪クリニックと新規に開院したHORACグランフロント大阪クリニックを合わせると世界一の規模となるIVFジャパン理事長でもある森本義晴先生は、卵子老化による女性不妊や男性不妊を広義のミトコンドリア病の一部ととらえ、その最先端診療に鍼灸・東洋医学を含む代替医療を取り入れて良い成績をおさめているとのことです。