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アトピー性皮膚炎に対する鍼灸の研究について2026年3月現在

当院にはアトピー性皮膚炎の患者様が時折来院されます。
皮膚の脱落や出欠を伴うような場合でも、複数回の鍼治療で、すべすべの肌を取り戻すこともあります。
基本的にお子さんでも鍼をさしますので、多少の痛みは覚悟してください。
以下最近の研究を紹介します。→
アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療の最新の研究(2024年〜2025年発表)では、主に痒み(掻痒感)の抑制と炎症の改善に関する科学的な検証が進んでいます。
以下に主要な研究成果をまとめます。
1. 最新の系統的レビューとメタ解析(2024年12月発表)
最新の包括的な研究(メタ解析)では、鍼治療がアトピー性皮膚炎に対して有効かつ安全な治療法である可能性が示唆されています。National Institutes of Health (.gov) (+2)
主な効果: 症状の重症度スコア(SCORAD)、湿疹の面積と重症度指数(EASI)、および視覚的アナログ尺度(VAS)による痒みのスコアを有意に改善することが報告されています。
生活の質: 患者の生活の質(DLQI)の向上にも寄与するとされています。National Institutes of Health (.gov) (+1)
2. かゆみの抑制メカニズムの解明(2024年発表)
鍼治療がなぜ痒みを抑えるのか、その脳内や腸内でのメカニズムについての研究も進んでいます。
脳への影響: 脳内の「被殻(ひかく)」など、掻く衝動や習慣に関連する領域の活性化を抑制し、痒みの感覚を調節する可能性が示されています。
腸内細菌叢との関連: 2024年9月に発表された研究では、鍼治療が腸内細菌叢の構造を変化させ、腸のバリア機能を改善することでアトピー様症状を緩和する可能性が示唆されました。ScienceDirect.com (+3)
3. 日本国内での臨床研究
国内の大学等の研究でも、継続的な鍼灸治療による有効性が報告されています。
長期的な改善: 平均25回(約半年間)の治療により、約8割の患者で痒みや皮疹の改善が認められたというデータがあります。
アレルギー指標の変化: 症状の改善に伴い、血中のIgE抗体や好酸球数などの血液検査データにも改善が見られることが確認されています。明治国際医療大学 (+1)
研究でよく用いられる主要なツボ(穴)
多くの臨床試験で以下のツボが効果的として選定されています。ClinicalTrials.gov (+1)
曲池(きょくち): 肘の関節部分にあり、皮膚疾患の改善によく使われます。
血海(けっかい): 膝の内側にあり、血液の循環を整え痒みを抑えるとされます。
足三里(あしさんり): 胃腸を整え、全身の免疫バランスを調整します。
三陰交(さんいんこう): 足の内側にあり、ホルモンバランスや血流に関連します。
現在の研究段階では「標準治療(ステロイド剤等)と併用することで、より高い効果やQOLの向上が期待できる」という位置づけが一般的です。ScienceDirect.com (+1)
Acupuncture for atopic dermatitis: a systematic review and …. 新しいタブが開きます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39638592/#:~:text=Abstract,assessing%20the%20risk%20of%20bias.

Study Details | NCT06922565 | Efficacy of Acupuncture in the …. 新しいタブが開きます。
https://clinicaltrials.gov/study/NCT06922565#:~:text=This%20study%20used%20a%20multicentre,Atopic%20Dermatitis


抗うつ薬と鍼灸を併用した研究について調査

抗うつ薬と鍼灸を併用することについては、近年多くのメタ分析(複数の研究を統合した解析)が行われており、「単独療法よりも効果が早く現れる」「副作用を軽減する」といった肯定的な結果が相次いで報告されています。
1. 最新の研究報告(2024年〜2025年)
最新の臨床研究や分析では、特に軽度から中等度のうつ病に対する相乗効果が強調されています。
相乗効果と早期改善 (2025年):Frontiers in Neurology 誌に掲載された最新のメタ分析(13件のRCTを対象)によると、抗うつ薬(主にSSRI)と鍼治療を併用したグループは、薬単独のグループと比較して、治療開始1週間目から有意な症状改善が見られました。
認知機能の改善 (2025年):抗うつ薬治療に電気鍼を併用することで、うつ病に伴う認知機能障害(集中力や判断力の低下)が、薬物療法単独よりも効率的に改善するという研究が報告されています。
SSRIへの上乗せ効果 (2024年):Dove Medical Press に発表された多施設共同試験(477名対象)では、SSRIに手技鍼または電気鍼を加えることで、より迅速な反応と高いQOL(生活の質)向上が得られることが確認されました。
2. 抗うつ薬との併用による主なメリット
研究データ に基づく主な利点は以下の通りです。
メリット
研究で示された具体的な内容
効果の発現が早い
通常の抗うつ薬は効果が出るまで2〜4週間かかりますが、鍼灸併用により1週間目から改善が見られる傾向があります。
有効率の向上
ハミルトンうつ病評価尺度(HAMD)などの指標において、薬単独よりも有意に高い改善率が示されています。
副作用の軽減
薬による吐き気、不眠、動悸、眠気などの副作用を鍼灸が緩和し、治療の継続を助ける効果が報告されています。
日本でも「うつ病診療ガイドライン 2025」の公開に関連して、鍼灸を補助療法として活用するエビデンスが注目されています。特に薬の代わりとしてではなく、「治療を続けやすくするためのサポート役」としての価値が再認識されています。
これらの研究は、鍼灸が脳内のセロトニンやドーパミンの分泌を調整し、薬物療法の効果をバックアップするメカニズムに基づいています。

アメリカ国立衛生研究所(NIH・世界最大級の医学研究機関)が、高齢者の慢性腰痛に対する 鍼治療の有効性を公式報告。→

約800名の高齢者を対象とした大規模臨床試験をまとめた研究です。
通常医療を受けたグループと比較すると、鍼治療を受けたグループでは複数の項目で明確な改善が確認されたとのこと。
主な研究成果として→
・鍼治療群は、日常生活における障害(ADL)の改善度が明確に高い
・痛みの強さは6か月以降も継続して低下し、慢性痛特有の頑固な症状に良い反応
・身体機能の回復も鍼治療群のほうが有意に優位
・不安症状の軽減など、精神的ストレスへの改善効果も示唆
・副作用は極めて少なく、安全性の高さが再確認

Acupuncture treatment improves disabling effects of chronic low back pain in older adults | National Institutes of Health (NIH)
https://www.nih.gov/news-events/news-releases/acupuncture-treatment-improves-disabling-effects-chronic-low-back-pain-older-adults


運動はミトコンドリアを元気にする

運動をするとミトコンドリアが元気になって、アンチエイジングに繋がると言う研究が進み、運動はおそらく最も安価な老化防止と考えられています。

ミトコンドリアを元気にする「食事と運動」実践法 武本 重毅
https://toyokeizai.net/articles/-/906097
 実は鍼灸刺激もミトコンドリアを活性化させると言う研究があります。
いくつか論文が発表されていますが、神経系の回復、慢性疲労症候群や炎症性疾患の回復に関連しているようです。
面白いですね。

ミトコンドリア代謝に基づく鍼灸による慢性疲労症候群の治療に関する研究【JST・京大機械翻訳】 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202402221725752048
ミトコンドリアオートファジーと神経変性疾患の関係および鍼灸制御機構の検討【JST・京大機械翻訳】 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202302284141278575