当院には時折マラソンやトレールラン、トライアスロンなど時給系のスポーツで痛みを訴える患者様が来院されます。
その他にも、バレーボール、野球、競輪選手など、スポーツ障害も様々な協議に特有の物があります。
 。外傷を伴う急性炎症は鍼灸を行えない場合がありますので、その場合は炎症部位を避けて、漸進的なコンディション調整を行います。
 繰り返し動作由来のスポーツ障害に伴う慢性炎症、筋筋膜
由来の痛みは鍼灸治療適応となります。
 筋骨格系の疼痛緩和に鍼灸治療は効果的です。
オーバーユースで疲労・緊張した筋肉に鍼刺激を行い、機能を回復させることが可能です。
結果的に疼痛局所へのストレスを減少することに繋がります。
鍼刺激によって刺鍼部位だけでなく遠隔部の血流が増加したり、翌日
の筋肉痛が減少したり様々な効果があります。
 繰り返し動作で疲労、緊張、短縮した筋肉に対して鍼刺激を行い、柔軟性を回復するこ
とで、スポーツ外傷の予防に繋がると考えられます。
  疼痛緩和のメカニズムとして
内因性オピオイドの関与が分かってきています。
広汎性侵害抑制機構 (Diffuse Noxious Inhibitory
Controls: DNIC)、アデノシンなどの単独もしく
は複合的な関与が考えられています。
鍼刺激が近位もしくは遠位の運動誘発電位 (Motor Evoked Potentials: MEPs) に影響を与える「振動誘導指屈曲反射」→(VibrationInduced Finger Flexion Reflex: VFR)を抑制するど、筋緊張の変化を引き起こすと考えられています。
 長時間走るスポーツに特有の症状として腸脛靭帯炎「 膝関節外側部の疼痛がみられ疾患」があります。
ランニングなど膝関節の屈伸動作時に、腸脛
靭帯は大腿骨外側上顆の上をスライドしますが、腸脛靭帯炎はそのときに生
じる機械的摩擦によって起こる腸脛靭帯の炎
症です。
走りすぎ、靴の摩耗、どこをどのような環境で走ったか、内反膝
や回外足、大腿筋膜張筋の短縮や中殿筋筋力
不足が原因として挙げられます。
腸脛靭帯を牽引する大腿筋膜張筋
や大殿筋(経穴では胞肓 (BL53)、居髎 (GB29)、
環跳 (GB30) など)が、施術部位に上げあられます。
 膝蓋靱帯炎は 膝関節の屈伸動作の繰り返しによって、膝伸展
機構に過度の牽引力が加わり、膝蓋骨周辺に
微細損傷を引き起こします。
膝蓋骨下端と膝蓋腱との接合部の発症が多いとされています。
過剰な屈伸動作「スクワット」、膝蓋大腿関節のマルアライメント、主
に大腿四頭筋の筋力、柔軟性不足が挙げられ
ます。
大腿四頭筋(血海(SP10)、梁丘 (ST34)、伏兎 (ST32)、
髀関 (ST31) など)が刺鍼対象となります。
 鵞足炎は脛骨内側顆に付着する縫工筋、薄筋、半腱
様筋の腱または鵞足滑液包がランニング動作
などにより内側側副靱帯や脛骨内側顆との摩
擦により炎症を起こすものです。
X 脚や回内足、扁平足などマルアライメントによって
Knee-in toe-out の動的アライメントを呈しやすくなり、下腿に外旋作用が働くことに
よって鵞足により大きな伸長ストレスがかかります
 シンスプリントは 脛骨内側後縁(典型的には下腿遠位 1/3 付近)
の慢性的な疼痛圧痛を呈する疾患です。
過度のランニングなどにより足部アーチの低下と下腿後面内側の筋群(ヒラメ筋・長趾屈筋・後脛骨筋)の疲労による伸展性低下が同時に起こ
り、脛骨骨膜に牽引ストレスが生じることで
損傷や炎症をきたすと考えられています。
硬い路面や不適合な靴使用、扁平足、回内足、X 脚
はシンスプリントのリスク要因です。
 アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎は ランニングなど、足関節の底屈動作の繰り
返しによりアキレス腱および周囲の疎性結合組織の炎症が起こります。
特定の経穴にこだわらず、炎症や緊張圧痛部位、反射ポイントなどを触診して、鍼を行っていきます。
場合によってパルス「電気刺激」を行います。
マイクロカレントを直接筋肉組織に流すことも当院では行えます。
皮膚電極と違い、鍼通電ですので、直接幹部にマイクロカレントを流せます。
 
参考文献→
下肢のスポーツ障害に対する鍼灸治療 – ランナー・トライ …
J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp › article › jjsop › _pdf
日本東洋医学系物理療法学会誌 第 46 巻 2 号 7
下肢のスポーツ障害に対する鍼灸治療
- ランナー・トライアスリートに多い障害について -
金子 泰久
学校法人呉竹学園 東洋医学臨床研究所8
 
マラソンランナーのコンディショニングと鍼灸マッサージ …
CiNii
https://cir.nii.ac.jp › crid
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390848250112083200
近藤 宏
筑波技術大学 保健科学部保健学科
日本東洋医学系物理療法学会誌
日本東洋医学系物理療法学会誌 40 (2), 49-57, 2015
一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会