これはまだまだ大規模調査とは言えないと思いますが、それなりの数ですので参考にできますね。
これを見ると、引きこもりになる年齢の半数くらいは20台前半で、不登校が必ずしも、引きこもりになるとは言えないと、筆者は記していますが、逆に考えると大きな問題が浮き彫りになります。
つまり、不登校だったお子さんの多くは、親の庇護、義務教育期間や行政などの公的サービス、塾やフリースクールなどの支援があったのにも関わらず、引きこもりにつながっている何らかの原因を抱えていたという事になります。
もちろんその中に、家庭でのお子さんとの向き合い方、極端な場合は虐待やネグレクトと言う場合もあったでしょう。
しかし、ここで重要なのは、もしかすると無理に登校しなくてよいと言う、風潮から再登校のための家庭での親子関係が不十分で、引きこもりにつながってしまった例はなかったのかと言うことです。
それは家庭でなくても、身に着けられるスキルかもしれません。
しかし不登校であるお子さんは、家庭で社会的スキルを身につけなければならない状況にあるわけです。
もちろん塾やフリースクール、オンライン学習などもあるでしょう。
それでも大多数の不登校のお子さんは、家庭の比重が高い事に変わりはありません。
社会的スキルと言う部分に焦点を与えると、20台前半で引きこもりになった集団も、社会適応力、コミニケーション力などに不安を抱えている事が分かります。
社会的スキルとは、例えば家庭で子供なりに何らかの役割をこなして、それが社会で生きていくための能力に繋がっているかと言う事です。
言いつけを守るとか時間を守るとか、一緒に食事をするとか、整理整頓、相似、入浴、歯磨き。
電話応対、お使い、テレビやゲームとの付き合い方。
睡眠時間の確保。
体力の維持。
論理的に会話のやり取りをするとか、そうした様々な要素すべてが社会性です。
つまり不登校であろうが、そうでなかろうが、社会性を身につけなければ、引きこもりになりやすいと言う事です。
ですので、不登校であっても社会性が身に付く、習い事やスポーツ、塾、多様な人間関係が、学校以外で経験できれば良いとなりますが、そんなに簡単にそのような場所と時間を確保できる家庭はありません。
つまりお子さんに様々な経験体験、人間関係を提供できないと、将来引きこもりなど、社会性の問題が出る可能性が高まるという話ですね。
そもそも夫婦で共働きで、祖父母が同居していないご家庭は、不登校のお子さんが日中一人で、家にいるパターンが多くなります。
そうした場合は、実に膨大な時間、お子さんが人と関わらない時間を過ごすことになります。
私の所にも、不登校でお悩みの親子が、来院することが、しばしばありますが、家庭生活を聞いてみると、多くは経験体験、他のお子さんと触れ合う機会が、極端に少なくなっていることが明らかです。
その時は学校に無理して行かなくてよいと言ってあげることは、お子さんの不安を少なくします。
けれどもそれが長期になると、多くのお子さんが孤独や不安で、他の大人やお子さんとのかかわりに消極的になっていきます。
学校に行きたくない何らかの理由があっても、人とコミニケーションを取らない時間が長くなることは、お子さんにとっては、大きな損失です。
心を落ち着けるためには、一時期静かに見守ることも必要でしょう。
しかし、社会性が身につかなければ、大人になって困るのはお子さんですので、その機会を親が、どのように提供できるかに問題が集約されます。
つまり親子関係です。
学校は学び舎と言う事になっていますが、お勉強することだけが学びではなく、他のお子さんや教師と言う多様な大人と、コミニケーションすることそのものが、大切な学びです。
成績は2の次にして、人に会いに行く場所です。
もちろん人と関係を持つことが、苦手なお子さんもいます。
それでも、人とのかかわりをしないで生きていくことは、難しいわけですから、何らかの形でそれを提供する事から、目をそらしてはならないというのが、実態でしょう。
学校に行かないなら、そのほかでカバーするしかありません。
それが簡単なことではないというのも、現実です。

 
現役の「ひきこもり」940人調査で判明した実態 かつてない大規模調査で見えたこと | 不登校新聞 | 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/345706