長男の内側方野球肘の経過記録
9月 13, 2024
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少年野球選手の20パーセントくらいは経験したことがあるとされています。
さてこの内側型の野球肘に、我が家の長男がなってしまいましたので、その経過と鍼灸治療、ストレッチ、微弱電流治療などについて経過などを記したいと思います。
8月の第1週のグラウンド練習中に、外野からの送球で強く投げる事を意識している時に、肘が突然痛み出したとの事。
そのさい、肘にイオンがしたように感じられたとのこと。
帰宅後、鍼治療を行い、ストレッチ痛等の有無を確かめた所、左肘屈曲時に、左肩を触ると痛みが出る。
肘を最大伸展すると痛い、左肘に腫脹が見られる状態。
鍼治療後ストレッチ痛は軽減した物の、野球肘の可能性が強いので、翌日のグラウンド練習は投げて痛みが出る場合は、ボールを投げないように通達。
翌日のグラウンド練習の途中で痛みが出たため、練習中止。
その後2週間バットボールを使わない安静機関となりました。
その間、毎日鍼治療とストレッチを行いました。
①最初の1週間で、肘の腫脹は無くなり、左肩を触る屈曲動作、最大伸展でのストレッチ痛もなくなりました。
内側の圧痛も10日くらいで消失しています。
②2週目の半ば、このだんかいから徐々に、筋力トレーニングを開始。
プランク、逆立ち、ライオンジャンプ、ロープ縄跳びなどをテスト。
ブリッチは痛みがないが、ブリッチで歩くと痛い。
ライオンジャンプは痛みがないが、逆立ちで片手になると痛い。
プランクはできるが腕立ては痛い。
などが分かったので、痛みが出る種目は中止し、他の種目を毎日継続。
バッティングは痛みのない右手の実で片手バットでトレーニング。
③発症から3週間、逆立ちでも片手で痛みがない。腕立てができる。ブリッチで歩いても痛みが出ないため、種目を追加。
ロープぶら下がりは痛みがないが、ロープ登りは痛い。
左手の片手バットは痛い。
メディシンボール投げ3kgは痛くない。
塁間を試しに投げたらまだ痛みがあるとのこと。
3週目に念のため整形外科を受診。
軟骨に大きな損傷はないので、痛みがなくなってから徐々に投げ始めて良いと診断。
私の判断で、毎日これまで行ってきた全てのトレーニング目乳で痛みがなくならない限り、グラウンドでは投げないように通達。
④4週目、左肘内側の筋緊張はずいぶん少なくなる。
この3週間、微弱電流でマッサージを行える治療器も使用しましたが、使用前後と鍼治療前後を比較し、明らかに鍼治療の方が筋肉が柔らかくなることを確認。
ロープ登りでの痛みが軽減。左の片手バット開始。
バッティングに力強さが出てきた。
1日5級程度の50パーセント程度の投球。
ウレタンボール、カラーボールなどの守備練習開始。
⑤
80パーセントの投球で20級程度行っても痛みが出ない。
5キロのメディシンボール投げも痛みがない。キレダス20球開始。
投球練習を行った翌日は投げないなど、休息と回復を意識したトレーニングを行う。
鍼治療は3日に1度くらいに。
現在このような形で回復し、明日からグラウンドでも投げる予定です。
⑥考察
ボールを投げるときには肘には大きな力が加わります。速い球を投げようとして、肘に負担が大きくなると、少年期の選手は内側の軟骨を損傷することがあります。
強く力がかかって、怪我をする場合と、沢山投げすぎて疲労が蓄積して、延焼したり、やはり軟骨が損傷する場合もあります。
肘には上腕骨、橈骨、尺骨の3つの骨があり、これらをつなぐ靭帯が内側と外側にあります。
また上腕骨の内側にはボールを握ったり、投球中にスナップを効かせたりする筋肉がついています。 ボールを投げるときには肘の内側では「牽引力」により、骨や靭帯が引っ張られて剥離骨折や靭帯損傷などが起こります。
外側では「圧迫」により軟骨や骨が陥没するような障がいが起こり、
後方では骨同士の「衝突」や「こすれ」により疲労骨折が起こったり、骨や軟骨が欠けたり削れたりします。
我が家の長男がなったのは上腕骨内側上顆障害(リトルリーグ肘)と呼ばれる物と思われますがO整形外科では大きな損傷はないとされましたが、上腕骨内側上顆裂離もあった可能性があります。
と言うのは1球強く投げた直後に痛みが出たと言う部分が、気になるポイントです。
リトルリーガー肘は子供に起こる障がいです。肘の内側の骨の出っ張り部分(内側上顆といいます)の成長軟骨が障がいされます。
徐々に肘の痛みが出て、初めのうちは投球後数時間で痛みはおさまってしまいますが、そのうちに痛みがおさまりにくくなります。子供の野球肘はほとんどがこの障がいです。
多くは1~2か月の投球中止によりほぼ治癒します。投球(送球)以外のランニング、バッティング、ノックの捕球の練習などは中止しなくてもよい場合がほとんどです。
上腕骨内側上顆裂離は上腕骨内側上顆障害とよく似ていますが、これはある1球を投げた時から急に痛みが出ます。肘の内側の出っ張り部分(内側上顆)の成長軟骨や骨が割れたもの(裂離といいます)で、怪我の一種です。怪我なので1~3週間程度固定が必要な場合もあるようですが、必ずしも固定しないとする整形外科も多いです。
また見た目上剥がれているように見えて、内側上顆裂離ではなく、腱付着部の炎症と言う場合も多いとされ、専門医の診断が重要になります。
つまり、経過観察で、軟骨に問題がなければ、筋腱関節周囲の炎症や、筋の緊張を是正する事、筋力の回復、柔軟性の回復によって、投球開始時期を決定できると言う事になります。
今回痛みが出てから3種目の通院でしたので、軟骨が1部割れていたとしても、すでに癒合していた可能性もあります。
どちらにせよ、診断では軟骨に大きな損傷はなく問題はない。痛みが収まれば練習開始可能とのことでしたので、大きな括りではリトルリーガー肘と言う結論で良いと思われます。
長男は中学2年生ですが、第2次成長期に入ったのが、今年の4月。
肘を痛めたのは8月。
まだまだ軟骨が、大人の骨になりきっていない時期なので、体が大きくなり、パワーがついてきた事で、逆に軟骨への負担は増していると言う訳です。
ここで投げすぎたり、良くないホームで投げたりすると、将来に問題が出ると言うことですね。
⑦他の内側肘障害にはこのような物が挙げられます。
上腕骨内側上顆骨端線閉鎖不全
中学生頃に肘の内側の出っ張り部分(内側上顆)の成長軟骨と上腕骨の間は徐々に癒合し、投球側が先に癒合するといわれています。しかし、フォームが悪かったり、球数が多くなったりして強い牽引力が繰り返し加わるとなかなか癒合しなくなることがあります。数か月の投球中止で癒合することが多いですが、手術でネジなどを使って固定することもあります。とのことで、大まかに治りきらないのに投げ続けるとこうした障害になりやすいと言う話ですね。
上腕骨内側上顆骨端線離開
上腕骨内側上顆骨端線閉鎖不全と似ていますが、これはある1球を投げた時から急に痛みが出ます。投球時に内側の筋肉に引っ張られて肘の内側の出っ張り部分(内側上顆)の成長軟骨が上腕骨からはがれた状態です。ずれが大きい場合は手術が必要です。とのことで、これは完全に一度軟骨がはがれた状態ですので、再び正常な位置にくっつかないと、障害を残してしまうので、正しい位置に固定しなおすOPが必用な場合があると言う事ですね。
内側側副靭帯損傷
通常高校生以上で起こります。投球時の「牽引力」により内側の靭帯が引っ張られて損傷します。疲労がたまって徐々に傷んでくる場合と急に断裂する場合があります。
投球を中止し、フォームや体の硬さなどに問題があればこれを改善します。また靭帯を補強してくれる腕の筋肉(回内屈筋群)を強化するなどのリハビリ治療を行います。最近では、多血小板血漿(PRP)治療という再生医療の一種を行うことも多くなってきました。それでも改善しない場合には手術を行うことがあります。手術はトミージョン手術と呼ばれる靭帯再建術を行います。手首のすじ(腱)を肘に移植して靭帯を再建します。復帰には1年ほどかかります。
回内屈筋群の障がい(肉離れ、疲労)
投球により腕の内側の筋肉に疲労がたまったり、肉離れが起こったりすることがあります。投球を休止し、痛みが治まったらフォームや体の硬さなどの問題を改善したり、腕の筋肉のストレッチを行ったりして再発を予防します。
尺骨神経障害
長年野球をすることにより肘に変形が起こり、この変形によって内側の神経(尺骨神経)が圧迫されたり、肘周辺の発達した筋肉が神経を圧迫したりして小指や薬指にしびれが出ることがあります。投げているうちにしびれが出て投げられなくなることもあります。投球の休止、腕の筋肉のストレッチ、フォームや体の硬さなどの問題を改善します。こうした治療で改善しない場合には手術が必要となることがあります。
⑧中学生は成長にばらつきが多いので注意。
中学生は成長期がどの段階で始まったかによって、野球肘の症状が変わってきます。
第2次成長期は男の子では、声変わり、陰毛、腋毛、あごひげなどが生える、セガ延びるなどの身体変化が著しい時期です。
子どもの骨端は軟骨で、大人になるにつれて、骨が伸びつつ、軟骨は正常な骨にっ変わっていきます。
軟骨は軟弱で割れやすいので、成長が遅いタイプの選手は障害をおこしやすい傾向にあります。
早く成長したタイプは、軟骨は大人の骨に変わっていますが、今度は靱帯を損傷しやすくなります。
どちらにせよ、日頃から正しいホームで投げ、休息を取り、筋力や柔軟性を付けることが重要になります。