お子様の扁桃腺について 

 

扁桃炎は感染症ですが、免疫力が弱いと慢性化したり、繰り返したりします。
細菌性の感染の場合抗生物質を使用する頻度が多く、繰り返し使用されることによる多剤耐性菌の問題が付きまといます。
小児から学生の鍼灸についてはこちらをお読みください。できれば抗生物質は使いたくない、けれども免疫力が弱くて、扁桃炎を繰り返してしまい、どうしても使わざるを得ない。
そんなお子様には鍼灸がお薦めです。
 年少さんになるくらいに、毎月のように喉を腫らせてお休みしてしまうお子さんがおります。
虚弱体質が多いです。
食が細いことが多いのも特徴で、自宅療養の頻度が多いので、運動量が減って余計に体力がつきにくいです。
ご両親のどちらかに呼吸器系が弱い方がある場合も散見されます。
頸や肩だけでなく、胴回りに緊張が見られることもありますが、基本的に虚弱ですので、強い刺激はできません。
かなり微小な刺激から始めて、根気強く施術を行います。
熱発時は自宅療養をしていただき、体温が37度台前半まで下がっていれば、鍼灸刺激を月に5から7回行うことをお薦めします。
いつでもリンパ節が腫れぎみです。
リンパ節の腫れが小さくなると、症状が緩和することが多いです。
 
 鍼灸治療の流れ
月に3から6回程度施術を行います。
多くは3か月以上かかるとお考えください。
半年くらいで、食欲体力がついてくることが多いようです。
初めの1週間は5日程度、毎日施術することをお薦めしています。
熱が出ていない時に、施術を行います。
37.5度以上では施術できません。
  
 クウラーは不向きです。
設定温度を上げましょう。
 水泳は1年くらいかけて健全な体力を作ってからの方が無難でしょう。
体を冷やすと良くありません。
野外で遊ばせて、体力を作りましょう。
 肩が凝るようなことはお薦めしません。
   
 扁桃は鼻や口から気管や肺へ侵入する病原体やウイルス、細菌に対しての防御機能を果たすために、免疫細胞が多く集まります。
ですが、表面に腺窩が多いため細菌の巣になりやすく、免疫力が弱まると感染源となってしまいます。
扁桃を腫らし始めるのは2~3歳ごろからで、6~9歳でピークを迎えると言われています。
口蓋扁桃は4歳から8歳の時期に最も活発になり、大きさも最大になります。
その後、徐々に小さくなり。大人ではほとんどわからなくなります。
大人になっても扁桃が小さくならずに炎症が続き、ある程度の大きさを保っているのを、慢性扁桃炎と呼びます。
 扁桃炎の主な症状としては38度以上の発熱、咽頭の痛み、悪寒戦慄、 倦怠感、頭痛、関節痛に加え顎の下や頚部のリンパ節の腫れなどで、痛みが耳や側頭部に広がることもあります。
急性扁桃炎で、さらに奥にある扁桃に炎症が及ぶと扁桃周囲炎となります。
扁桃周囲炎は、急性扁桃炎が治りかけたころに手当てを怠り、悪化した結果の症状で、高熱と激しい咽頭の痛みがあります。
片側の口蓋扁桃の上に膿瘍ができ、赤く腫れて化膿するため口臭が強くなります。
 扁桃炎を起こすウイルスはアデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、エンテロウイルスなどです。
扁桃炎を起こす細菌は溶連菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などです。
基本的にはこれらのウイルスや細菌は、免疫力が強ければ、問題を起こす前に症状が短期間で緩解しますが、罹患を繰り返すと問題になります。