不妊症では骨盤内臓の血流だけでなく、脳下垂体からのホルモンに対する影響も考慮しなければなりません。

・ここまで分かった鍼灸医学-基礎と臨床との交流 脳機能および中枢神経疾患に対する鍼灸の効果と現状

鍼刺激と大脳皮質局所血流についてはこちら

体外受精後24時間以内に鍼灸を行うと、着床率があがることが分かってきました。
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鍼灸刺激により、子宮の血流の増加や、大脳皮質の血流の増加が起こることが、化学的に証明されています。
当院ではそうした化学的根拠に基づいて、着床率を上げるために、タイミング後や人工授精後、体外受精後に脳と子宮の血流量を上げるための施術を行っています。
 手の平、足蹠への鍼刺激により、脳血流と血圧が増加し、鍼刺激終了後に徐々に元に戻る反応を示しすことが分かっています。
胸部への鍼刺激では殆ど変化を示さないことも分かっています。
脳血流の変化が血圧の上昇によるものかを調べるため、血圧が上昇しない措置を施した環境下で、同実験を施すと同様に脳血流が上昇します。
したがって脳血流は血圧変化と相関がないことが判ります。
また、体性感覚神経が切断されている状態では、鍼刺激による脳血流の上昇がおきないことも分かっています。
体性感覚神経が関与していると言うことで、単なる単シナプス反射ではないことが判明しています。
鍼刺激量と脳血流の関係は、Ⅲ群とⅣ群繊維(侵害刺激:痛覚)関与が大きいことが、鍼通電刺激を用いて刺激強度を変えて調べた実験により明らかにされています。
手の平に鍼刺激を与えると、眼底血流が増加し、血圧も上昇します。
薬物により血圧変化が起こらない措置を施した状態で鍼刺激を与えると、眼底血流はほとんど変化しません。
神経と眼底血流の関係を明らかにするために、顔面神経を切断し交感神経は無傷な状態で実験を行うと、眼底血流の変化が現れます。
このことから、この反応には、副交感神経が関与していると予想されています。
鍼刺激(侵害刺激:痛覚)でおこるこの反応は、皮膚の非侵害性ブラシ刺激では起こりません。
したがってこの反応は、手の皮膚の鍼刺激(侵害刺激)を求心路とし脳を介して副交感神経を遠心路とする血流増加反応と、さらに血圧上昇に依存した血流増加反応があるものと推測されます。
鍼刺激によって子宮血流も増加することが分かっています。
足蹠への鍼刺激で子宮血流が増加します。
鍼刺激(侵害刺激:痛覚)でしか子宮血流が増加せず、非侵害性のブラシ刺激では子宮血流は増加しないことが分かっています。
全身血圧の上昇が起こる手の平への鍼刺激では子宮血流に変化が見られません。
さらに下腹神経を切断しても、血流の増加反応は消失しませんが骨盤神経を切断すると、反応が消失することから
子宮血流は骨盤神経を介した鍼刺激(侵害刺激)により増加することが分かっています。
このような化学的な基礎研究をもとに、鍼灸を行っていま

す。