悪阻「つわり」の鍼灸

 

当院にはしばしば悪阻の患者様がいらっしゃいます。

メールでのご予約が可能です。予約フォームをご利用ください。

症状に個人差が大きいため、すぐに良くなる患者さまもいれば、少し時間がかかる場合もあります。

翌日にテンプラや牛丼を食べられるようになったと言う患者様もおられます。

悪阻に加えて、むずむず足症候群なども妊娠中にはしばしば見られますが、これも鍼灸が良いようです。

妊娠中はホルモンバランスが崩れ、自律神経系に負担がかかります。

そうした自律神経のバランスを整えるために、鍼灸は有効です。

当院の自律神経失調症の鍼灸についてはこちら→

鍼灸医学の化学的な基礎理論についてはこちら→
ここまで分かった鍼灸医学-基礎と臨床との交流 脳機能および中枢神経疾患に対する鍼灸の効果と現状
鍼刺激と大脳皮質局所血流

つわりは妊娠4~7週(妊娠2~3ヶ月)ごろに始まり、妊娠12~16週(妊娠4~5ヶ月)ごろに終わるといわれております。

つわりのピークは妊娠8週~11週とされています。
ですがつわりは個人差が激しいために、妊娠期間中ずっとつわりのような悪心嘔吐が続く人もおります。

悪阻は、まだ原因が分かっておりませんが、HCGやプロゲステロンを初めとしたホルモンバランスが変化し、自律神経症状を来すと言うものが有力です。

その他妊娠により体質がアルカリ性から酸性に変わることや、心理的なストレスが関与しているともいわれています。

当院では不妊症の患者様が多く来院されておりまして、HCGを投与されている患者様に、悪阻に類似した症状が現れることから、HCGが引き金となると考えています。

「HCG」ヒト絨毛性ゴナドトロピンは、受胎の直後から胎児の栄養膜合胞体層(胎盤の一部)で作られます。

HCGは卵巣にある黄体の分解を防いで、ヒトの妊娠に重要であるプロゲステロンの産生を保たせます。

また、別の働きとして、母子間の免疫寛容があると考えれています。

HCGは、黄体の保持を促進し、ホルモンのプロゲステロンを分泌させます。

プロゲステロンは子宮の内側を血管で肥厚させ胎児の成長ができるようにする働きを担ています。

妊娠中胎盤は卵巣や脳下垂体前葉の機能を肩代りする形で,独立した内分泌器官として活動します。

また、胎盤はステロイドホルモンやタンパク質ホルモンを分泌して妊娠の維持を図ります。

ステロイドホルモンとしてはプロゲステロンとエストロゲンが,タンパク質としてはヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)とヒト胎盤ラクトーゲン(hPL)などです。

プロゲステロンは,妊娠第7週以後は主として胎盤の合胞体栄養膜細胞から産生されます。

妊娠中はこのように、ホルモンが通常時より大量に分泌され、胎盤の形成過程で、脳下垂体を初めとする内分泌系、自律神経系の働きとの調整が困難となりやすいと考えられます結果として、刺激に対する感受性が過敏となったり、消化器官の不調が現れたり、精神的に不安定になったり、唾液や汗のコントロールができなくなったりします。

症状の強弱や、出方には個人差が大きいです。

食べ物だけでなく水分摂取が困難となり脱水症状が進み尿からケトン体が検出されるほど重症化した場合には、ウェルニッケ脳症の発症を予防するために、輸液やビタミン剤補給などによる入院治療が必要となります。

症状は、吐き気、嘔吐、唾液の増加、全身倦怠感、頭痛、眠気など。

匂いに敏感になる(米飯やたばこの残り香など)。

食べ物の好き嫌いが変化し、食欲が減退、または増進する。

悪阻の緩和のために血糖値を下げない。

好物だけでもよいので、できる範囲で食べて、水分を摂取する。

生姜が嘔気症状の改善に効果があるとの報告があるので試してみる。

湯気が臭いを多く含んでいるので、冷やして食べてみる。

唾液が嫌な場合、飴で唾液に味をつけてみる。

お腹が減ると気分が悪くなるので、こまめに少量食べる。

余計なストレスは貯めない。

人の助けを積極的に活用する。

リラックスできる時間を作る。

などです。