これまでの鍼灸の研究成果は、運動器疾患に対するものが多かったのです。 もちろん経験的に、様々な疾患に効果を及ぼすことは知られていましたし、臨床報告は多数存在していました。 昨今測定機器の発達により、脳内の血流状態がつぶさに観測できるようになり、鍼灸刺激で、脳血流量が、どのように変化するのかが分かってきました。 動物実験も含めると、鍼灸刺激により、多数のルートの神経が関与し、脳内血流の変化が確認されています。 様々な疾患が内分泌系の関与で増悪します。 それらの疾患では、脳内の血流状態が悪くなっている場合が報告されています。 鍼灸刺激は、筋肉を和らげるためだけの主義ではなく、様々な疾患で脳内の血流状態が悪くなっている状態を改善することで、身体に現れる症状の改善に寄与するものと考えられるようになってきました。 これまでも臨床報告から、脳血管障害のリハビリ回復の側面や、鬱病などに対する鍼灸の研究は行われてきました。 現状では、身体各部の経穴の脳内血流状態への影響評価が、完了した訳ではありませんが、今後どんどん解析が進むことでしょう。 参考→鍼灸学部 鍼灸学科の研究紹介 | 鍼灸学部 http://www.meiji-u.ac.jp/shinkyu/kenkyu/case01