これまでは心理学的に解析されてきた訳ですが、画像診断が可能になるかもしれませんね。
この研究によって感情を司る脳機能が過剰になっているにも関わらず、コントロールする機能が低下していることが、化学的に明らかにされました。
これは私たち鍼灸を行う立場からも非常に重要な結果です。
当院でも不安障害やうつ病、パニック障害の患者様に施術を行っております。
鍼灸刺激により、脳の血流量が増えたり、刺激方法によって自律神経の働きが変化したり、脳内から鎮痛物質が放出されたりします。
患者様によっては、施術後に頭がすっきりして、活動的になれたとか、深く眠れたなどの声をいただいております。
つまり鍼灸刺激によって、化学的にも不安障害に伴う脳機能の活性化や、過剰な興奮を鎮めることがある程度可能であることを推察できる根拠となりうるのです。

不安障害の「マイナス思考癖」、脳の仕組み解明か https://ord.yahoo.co.jp/o/news/RV=1/RU=aHR0cHM6Ly9oZWFkbGluZXMueWFob28uY28uanAvYXJ0aWNsZT9hPTIwMTkxMTMwLTAwMDMwOTcyLWZvcmJlcy1obHRo;_ylt=A2Rivbnd8OJd0CcACAIPk.d7
研究チームは、気分障害もしくは不安障害と診断された成人の患者と、健康な成人の脳の活動を比較した過去の研究226件から、9000点を超える脳スキャン画像を集め、分析した。この種の調査研究としては過去最大規模のものだという。

その結果、患者グループでは、脳の領域のうち、これまでの考えを止め、新しい考えに移る働き(論文では「認知コントロール」と呼ばれている)を担う領域の活動が異常に低く、「情動的な思考や感情を処理する」領域は活動が異常に活発だったことが分かった。

活動が異常に低かった脳の領域は、下前頭前・頭頂葉皮質、島皮質、被殻などで、これらは全体として、考えや感情のコントロールに影響を及ぼす脳回路を構成している。一方、活動が異常に活発だった領域には、「戦うか、逃げるか」の反応を担う左へんとう体が含まれる。

分析結果を総合すると、不安障害や気分障害の患者の脳は、不健全な状態に陥っていることが示唆された。つまり、彼らの脳は、一方では感情的思考をコントロールするのが難しく、他方では同じことを繰り返し考えたり、ネガティブな感情にとらわれたりしやすいようなのだ。

論文の統括責任筆者であるブリティッシュコロンビア大学(カナダ)のソフィア・フラングー教授(精神医学)は、今回の研究成果について「気分障害や不安障害の患者がネガティブな気分から抜け出せなくなっているようなのはなぜなのかに関して、科学に基づく説明を与えるもの」だと述べている。