科学的であると言うことは、これまでの常識にとらわれてはならないと言うことですね。
ですが、科学的裏づけが何を示しているか、適切に捕らえる必要もあります。
以下の科学的な検証によって、どうやら競技直前の静的ストレッチは、運動効率を下げると言うことです。
ストレッチをして柔軟性を高める必要がある場合、競技の1時間半前くらいにはストレッチを終えていたほうが良いでしょう。
ヨガなどのゆっくりしたストレッチの多い運動は、筋力を下げ、代謝を落とすのでダイエットに不向きで、体脂肪率を上げる可能性が高くなると、研究結果が示しています。
ストレッチの効果がないのではありません。
筋肉の緊張を和らげて、間接の稼動息を広げる効果はあります。
またヨガはリラックス効果が高いです。
しかし間接を緩めすぎると、運動するための力は、伝わりにくくなると言う研究結果があるのです。
さらに90秒以上同じ姿勢を保つストレッチは、筋力を逆に下げてしまうと、研究結果が示しています。
競技前には、徐々に運動強度を増すような動き、「動的ストレッチ」をすべきとのことです。
可動域範囲も保ち、動的ストレッチを有効に取り入れたいならば、これまでのゆっくり伸ばして、最大可動域で制止するのではなく、動きを止めずに、それなりの勢いを保って、小さい動きから大きな動きに徐々に激しさを増すような体操が重要となります。
このようなことから、これまでの常識的なゆっくり体を伸ばすストレッチは、運動後にこそ有効であり、競技前には体を温め、切れをよくする動きのある体操が良いと言うことが理解できますね。
あれと言うことは、ラジオ体操みたいな動きはかなり的を射ていますね。
協議前にはゆっくりしたストレッチではなくラジオ体操くらい動きのある、動的ストレッチをしましょう。
こうした事実が是非スポーツ指導者に適切に伝わることを願っています。

健康科学の「最新常識」知っていますか? そのストレッチが実は「筋力低下」を招くワケ
http://toyokeizai.net/articles/-/180378

テキサス工科大学で運動生理学を教え、『Fundamentals of Biomechanics(生体力学の
基礎)』の著者でもあるデュエイン・ヌードソン教授は次にように語っている。「静的
ストレッチをすると筋肉は存分に動きにくくなる。その結果、静的ストレッチを行った後の30分から1時間は運動能力が落ちる」。

ヌードソン教授は、もともと運動前の静的ストレッチに早い時期から疑問を投げかけていた研究者の1人であり、1998年に発表した論文が物議をかもしたことで知られている
。この論文はあまりにも常識に反していたため、「筆者は誤解しているに違いない」と、多くの読者が編集者に苦情を伝えた。

だが、そうではなかった。

「あれから150本から200本の論文が発表され、おそらくその8割が、静的ストレッチは運動に逆効果になることを明確に示しています。そのうえ、あとの2割は良くも悪くもなんの効果もないことを示しています」と、ヌードソン教授は語っている。

同教授の論文が正しかったことを裏付けるその後の研究の中から、いつくかの例を紹介しよう。

2013年、『ジャーナル・オブ・ストレングス・アンド・コンディショニング・リサーチ』に発表された研究によれば、17人の運動選手にバーベルスクワットを行ってもらったところ、事前に静的ストレッチをした場合、最大反復回数は8%落ちたうえ、下半身の安定度が23%落ちた。

また、ザグレブ大学の研究者たちが100本以上の論文に目を通した結果、静的ストレッチは筋力を平均5.5%弱めることを発見した。さらには、「同じ姿勢を90秒間保つストレッチを行なうと、筋力が一層弱まる」こともわかった。

原因についてはまだ研究段階だが、静的ストレッチが筋力を下げるという紛れもない実験結果はある。一説によれば、静的ストレッチは関節可動域を広げるが、同時に関節を緩めてしまう。重い物を持ち上げようとするときに、ひざがしっかりロックされていないと持ち上がらないように、関節の「緩さ」は筋力を使う際には障害となる可能性があるのだ。また、静的ストレッチは筋肉の緊張を取る効果はあるが、その分、脱力してしまい、パフォーマンスにつながりにくいともいわれている。

とはいえ、もちろん、すべてのストレッチが良くないというわけではない。問題なのは、私たちが体育の授業で習ったような静的ストレッチだ。たとえば、立ったまま徐々に腰を曲げ、爪先に触れる前屈のようなものを含んだ、いわゆる準備運動として教えられたストレッチである。

「ごく普通の柔軟性を維持したいのなら、静的ストレッチは有効だ。しかし、運動前にストレッチをするなら、ウォームアップになるようなものが必要となる。温まった筋肉組織は強くなり、より多くのエネルギーを吸収する」と、ヌードソン教授は言う。

こうしたストレッチを「動的ストレッチ」と呼ぶ。ストレッチという言葉に反して、どこかの筋を伸ばすというものではなく、軽く走ったりジャンプしたりするような、心拍数を上げる軽い運動のことをいう。

だからジョギングに出掛けるのなら、最初はゆっくりと走り、徐々にスピードを上げていくといい。「15~20年ほど前から、一部の長距離ランナーの間では『ストレッチをすると脚の調子が悪い』という感想が広がっていた。そのため、彼らは徐々にランニングの強度を上げていくことにした」とヌードソン教授。結果、こちらのほうがパフォーマンスが高まることがわかったという。

ヨガでやせることはない

もう1つ。近年男性にも人気が出てきたヨガは、ダイエットにまったく効果がないどころか、かえって太りやすくさせることが、最新の科学によってわかった。もちろんヨガの効能は多数ある。ストレスの低下、やる気を上げ、体の柔軟性が増し、より良いセックスができるようにもなる。

しかし、ピューリッツァー賞を受賞したサイエンスライターのウィリアム・ブロードは、「ヨガは体の代謝率の”低下”に極めて効果的なことが判明した。すべての条件が同じならば、ヨガを実践する人は燃焼するカロリーが少ないため、体重が増えやすく、脂肪が蓄積されやすくなる」と論じている。

さらにブロードは、「ヨガで体重管理に成功した人は、科学的なエビデンスによれば、代謝を上げるという影響によって成功したのではなく、代謝を下げるという影響にもかかわらず成功したといえる」と述べている。つまり、ヨガはダイエット目的でやるには不向きのエクササイズだったということが証明されたのだ。

他にもたとえば、禁酒をすると心臓病に罹患しやすくなるうえ、寿命が短くなるというエビデンスもあるし、グルテンフリーの食品は、グルテンの代わりに糖質や脂質を添加てボソボソしないように作られているため、かえって太りやすくさせるというエビデンスもある。