季節の変わり目、特に寒くなてくると、腰痛やぎっくり腰が出やすくなってきます。 原因は主に筋筋膜の問題なのですが、なぜ季節的な要素があるのかと言いますと、それは最適な筋肉の活動温度があるからです。 プロスポーツをする方は、間違いなく準備運動を念入りにしています。 あれは化学的に準備運動することで、最高のパホーマンスができることが証明されているからです。 人間の体も物理的な法則には逆らえません。 筋肉が動くためには、化学反応が必要なのです。 筋肉は、神経からの刺激で収縮します。 神経と筋肉は、神経筋接合部でシナプスし情報伝達を行っています。 神経末端からは、刺激に応じてアセチルコリンが放出されます。 放出されたアセチルコリンは、、筋肉の側にあるアセチルコリン受容体に結合して、筋線維の細胞膜を脱分極させます。 その結果、T管系を伝わって筋全体に広がり、T管系に接する筋小胞体からカルシウムが放出されます。 このカルシウムをシグナルとして、アクチン繊維とミオシン繊維の間の滑り運動が起こることで、筋肉は収縮することができるのです。 やや難しくなりましたが、ようするに神経を通じた指令で、アセチルコリンやカルシウムと言う物質による、筋肉の操作が行われています。 化学反応と言うのは、温度が高い方が大きな反応を引き出せます。 スポーツをする前に、体を温めておいた方が良い結果をもたらすのはそのためなのです。 さてここからが本題です。 通常人の体は、中心部が暖かく、末端にいくにつれて、冷えてきます。 これは骨格筋を除くと、内臓が多くの熱を放出することと、外気温に体が常に冷やされていることに起因します。 ですから、寒い季節ほど、体内と体表の温度の差が大きくなります。 結果的に、同じ動作をしようとしても、体表と体内の運動に伴う、化学反応にばらつきが出やすくなります。 つまり、それだけ制御が難しい環境になるのです。 制御にばらつきが出ることで、自らの筋肉組織を破壊してしまったとき、ぎっくり腰や腰痛、ひどい場合には肉離れを引き起こします。 腰は腰椎以外に、支えるものは筋肉しかありません。 非常に強い負荷が、腰の筋肉にはかかっているのです。 このように、外気温と体温、体内で起きる化学反応との関係を、考察ることができます。 こうした考え方は、化学的な裏付けの乏しい電と医学にも、非常に合理的に用いられています。 漢方で良く話題に上る、冷えと言うのは、このような物理的な視点で語られています。 当院のホームページでも腰痛と冷えについて、掲載しています。 よろしければご覧ください。 さて、日ごろから特定の筋肉に負担がかかる、パソコン作業や、運転ばかりしていると、常日頃から、疲労による筋肉の活動性のばらつきがあるのです。 そこに寒さが加わり、適切な体温制御ができなくなった時、あなたはぎっくり腰になるかもしれません。 体調が悪くなる前に、血行を促進し、疲労を回復させることのできる、指圧マッサージがお薦めです。 腰痛やぎっくり腰には、筋肉そのものを刺激したり、反射を利用したツボ刺激で腰痛を緩和させることのできる鍼灸がお薦めです。