漢方理論において気血栄衛とは、整体の栄養や循環に重きを置いたときに使用される名刺です。 整体を立体的に見るときには、順番を、衛、気、栄、血と言う順序に変えたりして使い勝手によって、順序が変化します。 ここで言う立体的とは、左手左足、右手右足の順序に、衛、気、栄、血が配当されると言う意味です。 ですので、気血営衛は上下論。 衛気栄血は左右論と言うことになります。 漢方理論で紛らわしいのは、このように順序がそのまま理論体系の意味づけとしてほとんど説明なしに、使用されていることです。 同じ名刺が使われていても、どの場面で、どの順序で使用されるかを読み解かないと、古典を読んでもまったく理解できないと言うことになりかねません。 またそうしたちょっとしたルールを知っておけば、様々な方が古典を解説していますが、惑わされずにすみます。 さらに、ここで使用される「気」は、古代中国哲学の気の概念全体を踏襲しているのではなく、限定された生体反応の中の「気」の特定の働きを示しており、他の「守る、栄、血」と相互に関係するものです。 またこの理論体系では、外界の気象現象の変化と、整体の循環と栄養について論の展開がある訳ですが、天地人三才の原理や、基本的な陰陽論を知っていなければ、使い物になりません。 それぞれの意味については、また後日。