この作家のスタンスは、私の思考パターンと相性が良くて、なんといいますか不完全な人間像を上手に表現してるんですよね。 軟弱な人間の中に潜んでいる高潔さとか、強い人も条件がそろうとあっさり豹変するとか、普通の人もちょっとずれた人も、この人にかかれば「ああ人間たいして変わりないな」と思えてしまう。 そう思えてしまうところに、この作家の愛情深さがあるように思います。 僕たちの戦争 オイアウエ漂流記 明日の記憶 砂の王国(上) (講談社文庫) 砂の王国(下) (講談社文庫)