冷と寒には大きな違いがあります。 漢方では体が冷えることについて、多くの記述がありますが、基本的に身体の機能低下を指示しています。 さてではどのような違いがあるのでしょうか。 体が冷える条件としては、外部環境と内部環境によるものが上げられます。 気温が低い、薄着ばかりする、乾燥している、湿気が多いなどの環境の違いが体に与える影響を考慮する場合、寒と言う漢字を当てて表現します。 それに対して、栄養が足りない、筋肉が足りない、動作が緩慢だ、積極的でない、痩せている、などの内部環境によって体温が下がる場合は冷と言う漢字を当てます。 実際には内部環境も外部環境も相互に関連しますが、古典を読みほどく際には、これをきちんと理解する必要があります。 こうした分類の結果、外寒病、内因病などの違いが規定され、漢方理論の基礎となっています。 当院では、こうした外寒内因を問診、触診、病歴などの情報を元に判断し、適切な施術ポイントに鍼灸を行うための重要な指針としています。