漢方医学では、熱の便秘、冷えの下利とされ、食事、運動、精神的要因、様々な原因が想定されます。
当院では、患者様の生活状況や、症状の出始めた時期や経過をよく伺い、カウンセリングを重視し、針灸を行い、自律神経を調整していきます。
この症状は精神的なストレス、生活の乱れによって引き起こされることが多いため、症状を改善するにはこれらの要因を解消することが必要となります。
ストレスが原因となっている場合には、何がストレス要因かをはっきりさせていくことが必要となります。
その上で、時間をかけて、克服できるものか、回避すべきものか、受け入れるべきものかを、患者様と供に考えていきます。
そのプロセスによって、精神的緊張や、パニック障害からの離脱を図ります。
生活の乱れが原因となっている場合には、適切な睡眠、運動、食事の提案を行います。
先天的な虚弱や、自律神経機能の問題に対しては、根気強い体質改善が必要になります。
自宅での施灸や、定期的な鍼灸治療をお勧めしています。

現代医学では、過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん、Irritable Bowel Syndrome, 通称:IBS)は、主として大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称とされています。
検査を行っても炎症や潰瘍など目に見える異常が認められないことを条件とし、大腸、小腸を初めとした中空臓気や、内分泌系、精神活動とも関係が深い、自律神経失調の1種と考えられます。
したがって、以前は過敏性大腸症候群と言われていましたが、今では大腸だけにホーカスを当てないと言うことにしているようです。
この病気のプロセスは、様々です。
ただ、長の動きには、自律神経が大きく関与しており、その自律神経の不安定な状況が、症状と直結していると考えられています。
したがって、精神的な緊張が引き金となったり、暴飲暴食やアルコール、薬物の摂取が引き金となる場合もあります。
現代社会では、学校や勤務先でのストレス、家庭内のストレスなど、様々な社会的なバックグラウンドが影響し、多くの方がこの病気に罹患しています。
そもそも神経質な性格であったり、そうではなくても何かをきっかけに下利をしてしまい、それがトラウマになる事もありえます。
近年、過敏性腸症候群(IBS)にはセロトニンという神経伝達物質が関係していることが指摘されており、セロトニンは、その約90%が腸内にあるため、ストレスによって腸のセロトニンが分泌されると、腸のぜん動運動に問題が生じ、IBSの症状が現れるとされています。
症状の現れ方によって、不安定型、慢性下痢型、分泌型、ガス型の4つに分けられます。
排便により、しばらくは症状が軽快するが、またぶり返す。→不安定型
腹痛および腹部の違和感、下痢と便秘が複数日間隔で交互に現れる。「交代性便通異常」。 →慢性下痢型
少しでもストレスや不安を感じると下痢を引き起こす。「神経性下痢」。→分泌型
強い腹痛の後、大量の粘液が排泄される。→ガス型
ガス方では、常に「ガスが漏れて周囲の人に嫌がられているのではないか」という不安に苛まれ、それがストレスを増幅し、悪循環に至ることも多いとされています。
※ 機能性消化管障害に関する診断と治療の世界標準であるローマ基準IIによると、ガス型は過敏性腸症候群ではなく機能性腹部膨満症に分類されるようです。
→宇都宮を初め、栃木県全域から、患者様がいらっしゃいます。お気軽にお問い合わせください。