漢方理論における肺臓の働きは、、節を治める相傅の官と言うことになります。 具体的には肺は血管や大腸小腸などを初めとする、中空性臓器の口径を監理し、通貨性を変化させることで気血の調節を行っています。 まさに調節することそのものが、肺です。 実質的な肺の他、皮膚、鼻、なども肺であり、発汗調節や心臓と共に呼吸循環の調節も肺の重要な働きとして区分されます。 外界の変化に対応するために、寒ければ皮膚は収縮し汗腺を閉じます。 感想を防ぐために、肺は蒸散する水分の量を調節します。 肺の働きと皮膚の働きは、外部環境にリンクしており、古代中国の人々は、それに注目し、皮膚の色つやが悪ければ、呼吸器疾患の前兆としていたのです。 実際多くの患者様を観察していると、煙草を吸う患者様の多くの皮膚は、かさかさしています。 また風邪をひくと、皮膚があれたり、ごそごそした感触になります。 そうした状態の時に、発汗させるような鍼灸を行うと、症状が落ち着きます。 ウィルスによって、呼吸器系にダメージを受け、粘膜が炎症により渇きます。 本来必要な湿潤がなければ、免疫機能が発揮されません。 マスクなどで湿潤を保つと、呼吸が楽になるのはそのためです。 そこで必要な分泌腺の開閉を調節できれば、症状を緩和させることができます。 鍼灸で風邪の症状が緩和するのは、そうした汗腺や分泌腺の開閉状態を調節するための刺激を行っているのです。 肺は五行の金に属します。 肺は金のように、機械的な反射を行う臓器として、漢方理論ではとらえられています。 様々な調節機能をしていますが、どれも恣意的ではありません。 寝ていても呼吸は止まることはありませんし、考えなくても台帳や小腸は蠕動運動を行っています。 逆にいくら考えても頑張って呼吸を止めようとしても、止め続けることはできません。 蠕動運動も自らの意志で止めたり再開させたりはできません。 そうした自律神経に支配された、機械的な調節の範囲を、肺の働きとして、位置付けています。